陽も少し暮れてきて気の置けない仲間と良く行く居酒屋で休みに呑む酒。そんな居心地のよさを感じさせる日本人SSWの歌モノ作品の名作。いわゆる「素人臭さのヘタウマ = 癒し」という構図は一切無しの本物。
柔らかな歌声と繊細なギター、クラリネットとフリューゲルホーンに支えられて流れてゆく、音のゆらぎの気持ち良い世界。歌はもちろんのことそのギターの演奏力の高さと奏でられる音も魅力。
「サカナ」、「いつもの珈琲」、「太陽カフェ」、「奇跡」など聴き込むほどに味が出てくるブルージーな歌の数々。心揺さぶる声とアコースティック・ギター&ワイゼンボーンで静かな一日の終わりもいいんでない?
(SSW/J-POP)
地成孔、半野喜弘、畠山美由紀などの裏方仕事で知る人ぞ知る存在の鍵盤奏者にして大学教授の中島ノブユキによる透明で美しく、サントラのようでありクラシック音楽のようであり、またはサヴダージを感じさせるジスモンチ然としたブラジル音楽のようでもある無国籍なのだけど気品と奥底に眠る情熱を感じさせる本当に素晴らしいインスト。
とは言え竹村延和が作るインストほどの敷居の高さや実験性は無くピアノを中心にクラシック(ガット)ギター、チェロ、バンドネオンなど一流の奏者が脇を固め中島氏の指揮の元それはそれは優雅に奏でられる。
中でもM-14ブラジルの巨匠ヴィニシウス・ヂ・モライスのカヴァーは極上のカフェミュージックでありサロンミュージック。タイトルどおり夏の図書館で読書する美少女のような清涼感溢れるインスト。
(INST/PIANO)
癒し系とか和とか古き良きとかそういう文句は置いといてとにかく極上なポップス。地元名古屋を中心に活動する男女アコースティックデュオの2ndで少しクールダウン。
M-1「柳の手」を筆頭に丹精に丁寧に手作りされた晴れた日に縁側や原っぱで、ぽ~っとしながら聴くのが似合いそうな日本の原風景的POPS。
ガットギターを担当するKeiさんの紡ぎだす音は音楽への愛が満ちているかのように優しい。Voの西本さんの静かに郷愁を誘う歌声、必要最低限に抑えられたパーカス系のリズムが染みる。なんか大事に使い込むような感じで聴いてほしい作品。
(J-POP/DUO)
レゲエファンのみならずカルト的な人気を誇るラヴァーズ・ロック大名盤。
中でも特にマスターピースとして語り継がれる名曲A-2"GIVE ME LITTLE MORE"は最高すぎ。甘い歌声と洗練されたハーモニー、気持ちよすぎるグルーブ、もう100点ですねこの曲。スウィートソウルの文脈でもよく取り上げられるのも納得。フィッシュマンズの故佐藤氏も絶対好きだったんだろうなコレ。
フィッシュマンズファンはもちろんFREE SOULファンからエゴラッピン好きまで絶対にストライクなはずのスウィートな珠玉のロックステディ~ラヴァーズ・ロック傑作。
(REGGAE/LOVERS ROCK)
変体スキャットをはじめ飛び道具的要素は強いものの音楽自体は非常にリラクシンで気持ち良いなPOPな作品。アッパーな1曲目から無駄担当というハマケン(スキャット/トロンボーン)の変態スキャット(奇声?)が炸裂。
しかし「じゃあラップやります」で始まるM-7なんか絶対HIP-HOPをなめきった「ボーンうまうまくんのラップ」なんかのキワモノもありつつ、泣ける珠玉の込み上げ系インスト名曲「選手」(M-12)なんかもあったりと凄いのかなんなのか。
とにかく底抜けに明るいポジティブでバカでひねくれてるインスト作品で現実逃避すっか。仕事サボって海行く?みたいな。
(JAPANESE INST)
ここで路線をガラッ変えて気持ちよいスカ/ロックステディのリズムに身をゆだねて昼からビールでも。惜しくも解散してしまった日本を代表するオーセンティック・スカバンドDeterminationsの傑作3rd。
どこまでも本場の匂いを感じさせつつ大阪のバンドらしく人なつっこくやさしいリズム。酒の匂いが漂うアーリー60’Sスタイルのジャマイカン・スカサウンド。
とにかくイントロで即死の大名曲「Under My Skin」の心地よさったら筆舌に尽くしがたいわ!もちろん天気は晴天、車から見える景色も絶品なんて時にハマりすぎるかも。
(SKA/ROCK STEADY)
サブダージ路線の締めくくりはやはりコレ!73年作のジョアンの最高傑作にしてBOSSA NOVAの魅力が全て詰まった奇跡の一枚。これを聴いた時初めてBOSSA NOVAでも宇宙へ行けると感じたものです。今後これを越えるボサ作品に会えるかどうかというぐらいの傑作。
ギターと(ささやかな)ドラム/パーカスだけで構成された今作はシンプルにして複雑、軽やかにして深い、ミニマルな展開とささやくようにひっそりと歌うジョアンのボーカルはBOSSA NOVAが決してイージーリスニングやカフェでのBGMでは無いとうことを教えてくれます。
インスト曲M-3 "バイア(靴屋の坂道で)"の極限まで研ぎ澄まされたガットギターの演奏はヘタなアブストなんか聴くよりよっぽっどヤラれること間違いなし。突き抜けそうで突き抜けないこの進行具合はなんなんでしょうね?小春日和に宇宙行き。
(BOSSA NOVA/BRAZIL)
アルゼンチン出身ながら、その音楽性は「ブラジル人よりブラジル人らしい」と称されるベト・カレッティ。来日公演での素晴らしすぎる名演から生まれた珠玉のライブ盤。
オリジナル曲に加え「ジェット機のサンバ」やイヴァンリンス「Somos todos iguais nesta noite」などの名曲カヴァーをテクニック溢れるソロギター演奏とその美声で聴かす気持ちよすぎな名演の数々を聴けば思わず気分も軽やかに。クライマックスはDjaban「Samurai」の泣きのカヴァーで瀕死。
(SSW/BOSSA NOVA/BRAZIL)
カエターノといえば誰もがトロピカリズモというキーワードを連想するのが普通ですが今作はそんなカエターノがガル・コスタと共に制作した1967年に残した彼の唯一の(まっとうな?)ボサノヴァのアルバム。
最初から最後まで夢のような幸福感を与えてくれる素晴らしい作品。トロピカリズモに傾倒していく前夜のボサノヴァに別れを告げるかのようなカエターノの憂いを含んだ切ない歌声に負けない存在感のガル・コスタの歌に思わず夢み心地です。
しかし若干25歳にしてこんな作品を残したカエターノ・ヴェローゾってやっぱ天才かも!カエターノを代表する名曲「Coracao Vagabundo」収録。
(BOSSA NOVA/BRAZIL)
新緑にこれほど映える作品も無いのではないでしょうか?人生の悲しさや喜びを凝縮したような美しく懐の深すぎるガットソロ奇跡の名盤。
50年代より活躍するガットの大家であり、かのトッキーニョのギターの師匠としても知られる現役最高峰のベテランギタリスト、故パウリーニョ・ノゲイラの2002年作にして遺作。シコ・ブアルキ活動初期の楽曲を完全ガットソロで再演したとにかく琴線に触れるメロディと圧巻のギター演奏。
全編ガットギターのインストでリズムも本当に最小限入るくらいですが、逆にそれが無限の広がりを見せるような作品。心が深呼吸します。
(BRAZILIAN GUITAR)